総合病院に勤務する看護師は、自分が担当していない患者からのクレーム電話にも対応しなければならないことがある。勤務シフトが複数のパターンに分かれているため、担当看護師が不在の場合はその代理を務める必要があるからだ。自分が治療に携わっていないのに電話の向こうからクレームを言われると、つい感情的になってイライラすることもあるだろうが、イライラを募らせると客観的な判断ができなくなるリスクが生じるので注意しよう。
なかには、クレーム電話をかけて看護師を困らせることを目的としている患者もいるので、まずは正当なクレームなのか、それとも単なる嫌がらせなのかを冷静に判断しなければならない。また、電話対応ではカルテや資料を見せながら説明することができないので、相手の話を丁寧に聞きながら事実関係を確認していく必要がある。事実関係を確認した結果、病院側に非があったのであれば自分の担当ではなくても素直にクレームを受け止め、謝らなければならない。電話では顔が見えないので、申し訳ありませんでした、としっかり言葉にして謝らないと更なるクレームを生む事態にもなり兼ねないので注意が必要だ。
そして、すぐに対応できる部分は素早く対応し、時間を要する部分はいつまでに対応できるのかをしっかり伝えるようにしよう。電話だからといって、最善を尽くします、と曖昧に答えるのではなく、具体的な対応プランを話して患者に不満を残さないようにするのがクレーム電話の適切な対処法だ。担当外の患者からクレームを受けたときは理不尽さを感じるかもしれないが、医療現場というのは1つのチームとして協力し合いながら働く職場だということを強く認識しておこう。